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アネス動物病院

麻酔医療症例

外耳炎治療に麻酔処置?

皆様こんにちは。
アネス動物病院、獣医師の今井です。
このブログではアネスでどのような治療を行っているかをご紹介していきます!

今日はこの時期に多い『外耳炎』について。
暑い時期はお耳の中の常在菌がトラブルを起こしやすく、お耳が痒くなってしまう子も多いのではないでしょうか?
まずはお耳の洗浄をして点耳薬を投与する治療法が行われますが、
頑張って洗浄や点耳薬を投与しているのに治らない、
そもそもお耳を痛がって触らせてくれない、なんて子も中にはいます。
そんな時に追加治療として、全身麻酔下での徹底的な洗浄を行う方法があります。

メリットは以下の通りです
① 耳洗浄時の痛みや不快感、精神的な苦痛を除去することができる
② 鼓膜の手前までしっかり洗浄することで、点耳薬の効果を最大限にすることができる
③ 外耳炎の原因となる病変がないか安全に探すことができる(腫瘍、ポリープ、異物、毛など)


では実際にお耳の中の様子を覗いてみましょう。
お耳の洗浄と点耳薬をやってもなかなか治らなかった
わんちゃんのお耳の中です。
奥までびっしり汚れがついていますね。

まずは一般的に行われるお耳の洗浄をやってみました。
洗浄液を入れて汚れを拭き取る方法です。
手前は綺麗になりましたが、奥はまだ汚れがとれていません。

全身麻酔下で、細いカテーテルを入れて洗浄しました。
カメラで確認しながら行うことで耳道を
傷つけずに綺麗にすることができます。
奥の汚れもとれてきました。

さらに奥を覗いてみると、毛がびっしり生えていました。
細い鉗子を用いてカメラで確認しながら注意深く抜いていきます。

奥まで綺麗になりました。
最後に点耳薬をカテーテルで奥まで入れて処置は終了です。
毛が邪魔をして奥の汚れが外に出づらく、外耳炎が慢性化していたと考えられました。



耳道の奥まで点耳薬が到達しないと治療を頑張ってもなかなか外耳炎が良くならないことがあります。
外耳炎は一般的な耳洗浄と点耳薬で落ち着くことが多いですが、
なかなか良くならない場合は一度カメラで耳道の奥を観察してみましょう(観察のみの場合は全身麻酔不要です)。

慢性化した外耳炎を早く治すためには一度奥までしっかりと洗浄することが重要です。
外耳炎でお困りの方、飼っているわんちゃん・ねこちゃんのお耳の中を覗いてみたい方、
ぜひアネスにご相談ください。

2024.08.21