肝臓腫瘍
皆様こんにちは。
アネス動物病院の今井です。
今日は肝臓腫瘍についてご紹介します。
肝臓腫瘍は症状を出さないことが多く、気づかないうちに大きくなっていることの多い怖い腫瘍の一つです。
破裂してお腹の中で出血が起こると、なかなか止めることができず、
命に関わることもあるので、早期発見・早期治療が重要です。
健康診断で肝臓腫瘍が見つかり、外科手術を行なったケースをご紹介いたします。
13歳のミニチュアダックスフンド、元気食欲はあり、これまでにも特別大きな病気にかかったことのない子でしたが、健康診断で一部の肝酵素上昇と巨大な肝臓腫瘤がみられました。
肝臓は血管が豊富で、大きな血管が走行する臓器でもあります。
部位によっては術中に大量出血する可能性もあるため、
手術前にCT検査で血管との位置関係などをチェックしておく必要があります。
赤丸で囲っている部分が腫瘍化している部分です。
尾側に迫り出して大きくなっています。
肝葉の根本から腫瘍が増大していたため、腫瘍のある肝葉を一括で切除しています。
病理検査結果は肝細胞癌でした。
肝臓腫瘍は外科手術で長期的な予後が期待できる場合が多いですが、
その腫瘍ができる位置や大きさによって大きく難易度が変わります。
ひっそりと大きくなる肝臓腫瘍、破裂する前に見つけて早期に治療しましょう。
特に症状がなくても実は腫瘍を抱えている場合もありますので、この機会にぜひ健康診断をご検討くださいませ。
2024.10.09