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アネス動物病院

高度医療症例

甲状腺機能亢進症治療の選択肢

皆様こんにちは。
アネス動物病院、獣医師の今井です。
このブログではアネスでどのような治療を行っているかをご紹介していきます!

今日は猫ちゃんに多い甲状腺機能亢進症の治療についてご紹介します。
甲状腺とは頸部にある臓器で甲状腺ホルモンを分泌する臓器です。
高齢の猫ではこの甲状腺の癌や腺腫、過形成などにより
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう『甲状腺機能亢進症』という病気が多くみられます。

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると体重減少や多食(食欲不振になることもありますが)、脱毛、呼吸促迫など様々な症状を引き起こすことがあり、心臓病や高血圧にもつながるため治療が必要となります。

そんな甲状腺機能亢進症の治療方法には抗甲状腺薬や食事療法といった内科治療が選択されることが多いですが、日本では現在内科治療のみで完治することはできません。
そこで、外科治療で完治を目指す方法があります。

外科治療の適応となる場合は以下の通りです。
① 甲状腺機能亢進症の完治を目指したい
② 甲状腺癌が疑われる場合
③ 毎日の投薬が難しい、抗甲状腺薬による副作用がみられ内科治療が継続できない場合
④ 療法食を継続できない場合

甲状腺機能亢進症の猫ちゃんに対し甲状腺全摘術を実施したケースをご紹介いたします。

CT検査にて両側の甲状腺腫大、血液検査にて甲状腺ホルモンの数値上昇がみられました。
抗甲状腺薬の投与を開始し甲状腺ホルモンの数値は下がったものの、副作用により継続ができなかったこと、療法食では効果がしっかり出るまでに時間がかかってしまうことから外科治療を選択しました。


腫大した両側の甲状腺です。
上皮小体を残し、両側の甲状腺を摘出しました。
周囲には血管や神経が通っているため慎重に摘出する必要があります。
甲状腺の頭側に存在する上皮小体を確実に残すことで、術後の低カルシウム血症などの合併症リスクを最小限にすることができます。

内科治療・外科治療双方のメリット・デメリットをご説明し、どちらの治療にも対応しますので、甲状腺機能亢進症でお困りの方はぜひご相談ください。

2024.08.22