パテラ(膝蓋骨脱臼)とは?手術のタイミングとアネス動物病院の整形外科チームの挑戦!
札幌円山の総合動物病院、アネス動物病院 代表の石塚友人です。
今日はアネスの整形外科チームをご紹介しつつ、
犬によく見られる**「パテラ(膝蓋骨脱臼)」**について解説します。
【アネス動物病院の整形外科チーム】
まず、当院の整形外科チームをご紹介します。
指導医:山口力先生(日本小動物外科設立専門医)
執刀医:石塚友人(アネス動物病院 代表)
助手:松本達哉先生(清和台動物病院 院長)
年間で50〜60件のペースで整形外科手術を実施しており、
パテラ(膝蓋骨脱臼)、前十字靭帯断裂、骨頭切除などの手術を担当しています。
整形外科は結果が目に見えて分かる分野なので、プレッシャーのかかる手術ですが、
何千症例もの執刀経験を持つ山口先生を筆頭に、安全で的確な手術を行っています。
まだまだ認知が進んでいませんが、これから軟部外科だけでなく整形外科にも本気で取り組んでいきます!
【パテラ(膝蓋骨脱臼)とは?】
パテラ(膝蓋骨脱臼)とは、膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置から外れてしまう疾患です。
特に**小型犬(トイプードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャーテリアなど)**に多く見られます。
【パテラのグレード分類】
パテラは症状の重さによって**4段階(グレード1~4)**に分類されます。
グレード1:膝蓋骨は基本的に正常な位置にあり、手で押すと外れるが、自然に戻る。症状はほとんどなし。
グレード2:膝蓋骨が時々脱臼し、犬がびっこを引いたり、急にスキップするような動作をすることがある。(手術適応になることも)
グレード3:膝蓋骨が常に脱臼しており、手で押すと元の位置に戻るが、すぐに外れる。歩き方に異常が出る。
グレード4:膝蓋骨が完全に外れたままで、元の位置に戻らない。強い歩行異常や関節の変形が見られる。(手術が必要)
**「グレード2なら経過観察でいいですよね?」**と思われる方が多いですが、実はそうとは限りません。
グレード2の段階で症状が強い場合や、月に何度も違和感が出るなら、早めの手術を考えるべきケースもあります。
【放置するとどうなる?】
「グレード3や4になったのに、症状がなくなったように見える」と感じることがあります。
これは、膝蓋骨が常に脱臼したままの状態になると、違和感を感じにくくなるためです。
しかし、症状がなくなったわけではありません。
膝関節が変形し、将来的に歩行異常が強くなったり、関節炎のリスクが高まったりします。
また、膝蓋骨脱臼だけでなく、前十字靭帯を併発しているケースもあります。
前十字靭帯に損傷があると、単なる膝蓋骨脱臼だけでなく、より強い跛行(びっこ)や慢性的な痛みを引き起こすことがあります。
特に、以下のような症状がある場合は要注意です。
✅ 急に足を挙げることが増えた
✅ 着地時にガクッと膝が落ちる
✅ ずっとスキップするような歩き方をする
✅ 膝の違和感が増しているのに診断は「パテラだけ」と言われた
このような場合は、膝蓋骨脱臼だけでなく、前十字靭帯損傷が隠れている可能性があります。
そのまま放置すると、膝全体の構造が壊れてしまい、歩行困難や関節炎のリスクが急激に上がるため、早期の診断・治療が重要です。
【先日実施したパテラ手術】
先日、パテラ膝蓋骨内方脱臼の手術を5件担当させていただき、すべて無事に終了しました。
また、グレード4の症例もあり、大腿骨の骨切りが必要かと思いましたが、なんとか切らずに整復することができました。
跛行が強い場合は、膝蓋骨脱臼だけでなく前十字靭帯断裂や部分断裂が併発していることもあります。
整形外科の診断には、触診だけでなくレントゲンや関節の安定性テストが重要になります。
アネス動物病院の整形外科チームがサポートします!
整形外科はとても奥深い分野ですが、アネス動物病院では以下のようなサポートが可能です。
✅ 手術を回避するための生活管理・リハビリ指導
✅ 手術が必要な場合も、整形外科の匠が執刀
✅ 高度な麻酔管理・疼痛管理で安心の手術
2025年、アネス動物病院は整形外科にも本気で取り組みます!
もし気になる症状があれば、ぜひご相談ください。
【まとめ】
✔️ パテラ(膝蓋骨脱臼)は、小型犬によく見られる膝の病気
✔️ グレード2でも、違和感が強い場合は手術適応になることがある
✔️ グレード3・4になると違和感が消えることもあるが、関節が変形するリスクあり
✔️ 膝蓋骨脱臼だけでなく、前十字靭帯断裂を併発しているケースもある
✔️ 放置すると歩行異常や慢性的な関節炎のリスクが高まる
✔️ アネス動物病院の整形外科チームが、最適な診断と治療を提供
「手術すべきかわからない」「うちの子もパテラと言われたけど大丈夫?」
そんなお悩みがあれば、お気軽にご相談ください!
2025.01.30