「そのお口、大丈夫ですか?」 〜犬猫にも歯周病があります〜
はじめに
アネス動物病院で歯科診療を担当している獣医師の倉本です。
今回は、「歯の病気って気にはなるけど、何となく後回しにしてしまっている…」
そんな飼い主様にこそ読んでいただきたいお話です。
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犬や猫にも歯周病があるってご存じですか?
実は、3歳以上の犬の約80%、猫の約70%が歯周病に罹患しているという報告があります。
にもかかわらず、動物たちは痛みや不快感を隠すのが上手なため、
見た目では気づきにくく、発見が遅れてしまうケースも少なくありません。
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歯周病のサイン、見逃していませんか?
以下のような症状が見られる場合は、口腔内に異常がある可能性があります。
• 口が臭う
• 歯や歯ぐきの色が変わっている
• 硬いものを食べづらそうにする
• よだれが増えた
• 顔まわりを触られるのを嫌がる
• 歯ぐきが赤く腫れている
• くしゃみや鼻水が増えた(口腔疾患と関連があることも)
これらはすべて、歯周病のサインかもしれません。
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見た目がきれいでも、実は進行していることも
「歯石も目立たないし、大丈夫かな」
と思われるかもしれませんが、実は歯ぐきの中の見えない部分で進行していることが多いのが歯周病の特徴です。
進行すれば、歯の脱落や顎の骨の破壊につながり、
さらには心臓や腎臓への影響があるといわれるほど、全身に関わる病気でもあります。
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アネス動物病院の歯科診療の特徴
当院では、口腔内に問題が疑われる子には麻酔下でのスケーリング(歯石除去)と歯科検査を積極的に行っています。
「麻酔が心配で治療できないと言われた」
「年齢的にもう無理だと思っていた」
そんなご相談もよくいただきますが、アネス動物病院には麻酔専従医の石塚先生が常勤しており、
高齢の子や持病のある子でも、全身状態をしっかり評価したうえで、安全に配慮した麻酔管理が可能です。
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歯を守る=「食べる」という本能を守ること
犬や猫にとって、「食べる」という行動は生きる上で欠かせない楽しみであり、本能です。
それを守るためにも、早めの検診と適切な処置、そして日々のデンタルケアがとても大切です。
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まずは歯科検診を
「いつか診てもらおうと思っていた」
「様子を見ていたけど、ちょっと心配になってきた」
そんな飼い主様、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの大切な家族が、生涯おいしく食べられるよう、私たちがしっかりサポートします。
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ご予約・お問い合わせ
歯科検診や治療をご希望の方は、診察時にスタッフまでお声かけいただくか、
LINEまたはお電話にてご予約ください。

担当医:倉本 聡
経歴↓
2013年 酪農学園大学獣医学部 卒業
2013〜2018 札幌市内1次診療施設 勤務
2018〜2025 アイリス動物医療センター 勤務
(2021〜2024 副センター長に就任)
日本小動物歯科研究会 講義・実習 全課程受講終了
獣医歯科歯内治療ベーシックコース 修了
獣医歯科歯内治療アドバンスコース 修了
獣医歯科歯内治療スーパーアドバンスコース 修了
2024 比較歯科学研究会 歯科臨床診断学 第1期技能認定 取得
2025.05.16