健康診断をしても病気が見つからないことがある
年末年始に感じた「診断の差」が命を分けた現実
年末年始、多くの飼い主さまがアネス動物病院を受診されました。
その中には、すでに血液検査やレントゲン検査、場合によっては超音波検査まで受けていたにも関わらず、本来見つかるべき病気が見つかっていなかったケースがありました。
そして残念ながら、そうした「見落とし」によって、私たちが手を尽くしても救えなかった命もあります。
これは決して、検査をしていなかったから起きたことではありません。
検査をすれば安心、ではない現実
血液検査、レントゲン検査、超音波検査。
これらは確かに重要な検査です。
しかし、検査は「答え」を出してくれるものではありません。
検査結果をどう読み、どこに違和感を見出し、次の一手を考えるか。
そこには、経験と判断力が必要です。
同じ検査をしても、
「異常なし」と判断される場合と、
「これは見逃してはいけない」と気づける場合があります。
健康診断で本当に大切なのは「誰が診るか」
今回、私は改めて強く感じました。
ただ健康診断を受ければ良いわけではない。
誰がその検査を行い、誰がその結果を判断するのか。
それが、最も重要なのだと。
これは決して、価格の問題ではありません。
安い・高いではなく、
「命に向き合う視点」と「診断の質」の問題です。
飼い主さまへ伝えたいこと
この文章は、不安を煽りたいわけではありません。
ただ、
「検査をしたから安心」
「異常なしと言われたから大丈夫」
そう思っていても、もし症状が続く、違和感が消えない場合は、
遠慮なく別の獣医師の意見を聞いてほしい。
それは、あなたの大切な家族を守るための、正しい選択です。
【想定質問とその回答】
Q1. 健康診断を受けて「異常なし」と言われたのに、なぜ病気が見つからないことがあるのですか?
A1.
血液検査やレントゲン、超音波検査はとても重要な検査ですが、それだけで全ての病気が見つかるわけではありません。
検査結果をどう解釈し、どこに違和感を見出すかは、獣医師の経験や視点に大きく左右されます。
同じ検査結果でも、「問題なし」と判断される場合と、「見逃してはいけないサイン」と気づける場合があります。
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Q2. 健康診断をしていれば安心、という考えは間違いですか?
A2.
いいえ、健康診断はとても大切です。
ただし、健康診断“だけ”で安心してしまうのは危険な場合があります。
特に症状がある、元気が戻らない、違和感が続く場合には、検査結果だけでなく「今の状態」を総合的に評価する必要があります。
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Q3. 病院や検査の「値段」が高ければ、診断の質も高いのでしょうか?
A3.
必ずしもそうではありません。
診断の質を決めるのは、検査の種類や価格ではなく、誰がその検査を行い、どう判断するかです。
重要なのは「設備」よりも、「診断に向き合う姿勢」と「経験」です。
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Q4. セカンドオピニオンを求めるのは失礼ではありませんか?
A4.
まったく失礼ではありません。
むしろ、大切な家族の命を守るための正当な行動です。
違和感が消えない、納得できない場合には、別の獣医師の意見を聞くことをおすすめします。
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Q5. 飼い主として、見逃しを防ぐためにできることはありますか?
A5.
一番大切なのは、
•症状の変化を正確に伝えること
•「おかしい」と感じた直感を大切にすること
•納得できるまで質問すること
そして、不安が残る場合は遠慮せず相談先を変える勇気を持つことです。
2026.01.09
