「胆嚢粘液嚢腫」は放置しないで。症状が出る前の手術が命を救う理由
こんにちは。札幌市で総合動物医療センターを目指しているアネス動物病院、獣医師の石塚です。
今回は、最近増えている「胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)」について、2025年の最新研究をもとに解説します。
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胆嚢粘液嚢腫とは?
胆嚢は、肝臓から出る胆汁をためておく臓器です。
この胆嚢にゼリー状の粘液がたまり、出口をふさいでしまうのが「胆嚢粘液嚢腫」です。
超音波検査で見つかることが多く、元気なうちに偶然見つかるケースもあります。
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でも、元気だからといって油断できません
2025年の研究では、無症状の子でも突然破裂するリスクがあると報告されています。
特に、甲状腺機能低下症や膵炎などを抱えている子は、胆嚢破裂のリスクが4倍以上になることも分かっています。
「昨日まで元気だったのに、緊急手術」という事態は、現実に起こっています。
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症状が出てからの手術はハイリスク
胆嚢が破裂した状態での手術は、腹膜炎や感染症のリスクも高く、死亡率は20%以上という報告もあります。
だからこそ、元気なうちに、計画的に手術することが勧められています。
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手術をすれば全て助かるの?
もちろん、手術にはリスクがゼロではありません。
しかし、アネス動物病院では「麻酔・鎮痛管理」から「集中治療」まで一貫して対応できる体制を整えています。
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アネス動物病院が選ばれる理由
● 高度な麻酔・疼痛管理
当院では、全身麻酔に加え、硬膜外麻酔や傍脊椎ブロックといった高度な局所麻酔技術を用いることで、手術中の痛みをほぼゼロに抑え、
術後の回復を飛躍的に早めています。
「起きたときから楽そう」「術後とは思えないくらい元気」というお声を多くいただいています。
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● ICU完備。集中治療にも強い病院です
たとえ術後に不安定な状態になっても、アネスはICU・人工呼吸器を活用した集中管理を得意としています。
リスクがある子でも、手術後までしっかりサポートできることが、私たちの強みです。
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胆嚢を取っても大丈夫?
胆嚢を摘出しても、胆汁は肝臓から直接腸に流れます。
ほとんどの子は普段通りの生活ができますが、ごく一部で下痢や胆汁性嘔吐が見られることもあります。
その場合も、適切な処方や食事指導でコントロール可能です。
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まとめ
• 胆嚢粘液嚢腫は、無症状でも突然悪化するリスクあり
• 症状が出てからの手術は危険度が高い
• 元気なうちの手術が、安全で予後も良好
• アネスでは、高度な鎮痛管理とICUを駆使して安全性と回復力を最大限高めています
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胆嚢粘液嚢腫と診断された子が「どこで手術を受けるべきか」迷ったら、ぜひアネス動物病院へご相談ください。
命を守るために、数多くの経験をもとに蓄積された獣医療を提供します。
2025.05.18